Apple広告担当の第一人者だった男が語る「iPhone5c」失敗の理由。からの一考。

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・Appleの挑戦 

Appleはこれまで毎年刷新したiPhoneを1モデルのみ発表してきていた。

しかし昨年2013年は大きく方向転換して2モデルのiPhoneを発表しました。iPhone5sとiPhne5cです。

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・iPhone5s

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・iPhone5c

 

 

 ・Appleのマーケティングは失敗?

販売開始直後からiPhone5sの品薄と対照的にiPhone5cの潤沢な在庫が報じられていました。

これまで新しいiPhoneの発表後の販売開始にあわせて行われてきていたSoftbankやauのオンラインストアでの予約受付も、その対象はiPhone5cだけという異例の状況でした。これは日本に限らず本国アメリカでも同様だったようです。

参考:iPhone 5s Will Not Be Available for Pre-Order - Mac Rumors

 

 

また、先月行われたAppleの四半期決算の発表の場でCEOであるTim CookはiPhone総数の販売が過去最高であり、Appleとして売上と純利益も過去最高だったと報告するも、iPhone5cについては「iPhone5Cの販売数は当初の予定より小さかった」と公式に認めました。

 

過去最高の売上と純利益を達成したにも拘らずその後市場が予測していた数字には届かなかったとしてAppleの株は値を下げました。

市場の予測に見込んでいたiPhone5cの販売台数に届かなかったことが原因としています。

 

このようにiPhone5cがAppleの当初の予測とは異なり販売不振であったことはTim Cookが認めたように深刻でした。

 

 

ここにきて、Steve Jobsの近くで長年にわたってAppleの広告ディレクターとして働き、「iMac」を命名しその後のアップルの「i」シリーズを生み出すなど、90年代に低迷していたApple復活において重要な役割を果たしてきた経歴をもつKen Segall(ケン・シーガル)が「 Apple’s adventures in plastic」と題してiPhone5cの失敗について意見を発表していました。

 

 

・iPhone5cへのプラスティック採用

彼が語るにiphone5cの失敗はその素材にプラスチックを使ったことがひとつの躓きだったと言えそうです。

しかし彼はプラスチックそのものが悪だとは述べていません。

AppleはiPhone5cの品質に妥協してプラスチックを使ったわけではありません。以前のiPhoneでもプラスチックは使用されており、常に進化させながら素晴らしい品質のiPhoneを作ってきています。

プラスチックを使ったことよりも、マーケティングとそこからの広告展開が非常にまずかったと述べています。

 

 

AppleはiPhone5cの広告ビデオで「プラスチック」を全面に打ち出し、他社のプラスチック製のスマートフォンとは品質やデザインが違うと意図的に宣伝を行ったようです。

一見、安い、安っぽいと印象を与えてしまう恐れがあるプラスチックの負のイメージを、素晴らしいプラスチックの製品であると「プラスチック」を大胆に全面に打ち出すことによって正としてのイメージ戦略をとろうと広告展開していきました。

 

 

 

ところが現実にはiPhone5cの販売不振を伝える記事などで繰り返し紹介されるという意図しない形で宣伝されてしまい、負のイメージを与えてしまうスパイラルに陥ってしまったと述べています。

 

これによりiPhone5cのイメージ戦略は失敗に終わり販売不振に繋がったとしています。

 

 

・中途半端な低価格

またKen Segallの意見を取り上げたBGRの記事では価格設定にも躓いたと言及しています。

iPhone5cの価格に100ドルを追加することでより上位のiPhone5sを手に入れることができるとなれば、新しいスマートフォンの購入を検討している人々はiPhone5sへ向かうことは想像に難くないです。それがiPhone5cの販売不振のひとつの原因であることは間違いないと述べています。

 

 また、iPhone5cは現在急激に拡大している新興国でのスマートフォン市場に向けて投入されたiPhoneとも言われています。

参考:米アップルが廉価版「iPhone5C」発表へ、新興国に狙い | Reuters

 

しかしiPhone5cの価格設定は特に勢力を伸ばしている低価格のAndoroid搭載のスマートフォンと比べてると決して安いわけでもない中途半端な価格設定です。

 

 

 

 

  ・Steve Jobsが残したメッセージ

今回、Ken SegallはSteve Jobsの考えが正しかったと述べています。

Steve Jobs was right. Apple is a company that doesn’t do “cheap.” It makes products for people who care about design, simplicity, quality and a great experience — and are willing to pay more for these things.

 

 Appleは安い(安っぽい)製品をつくりません。デザイン、シンプルさ、品質、ユーザーの素晴らしい体験、それらを求める人々のための製品を作る  そしてその人々はそれらにお金を支払うことを惜しまない。

  といったところでしょうか。

 

 

 

私にはiPhone5cの販売不振の理由はこれだ!という明確な原因はわかりません。

ただiPhone5sとiPhone5cが発表された時点で、私はより良いものが欲しいと思う感情のままその選択肢にはiPhne5sしか上りませんでした。

iPhone5cにすることによるメリットをひとつも感じられなかったからです。

この感情を生む要因となった、同列に並べて比較すると普通か上かの物差しだけで判断できる2モデルでの発表自体が販売不振の原因であるような気がします。

 

2モデルを発表するにしても上位機種と廉価版といった全体を1ランク下げただけといった製品ではなく、販売対象の国や地域の区別、性能・機能の違い、ターゲットとするユーザーの区別など、それぞれに独自のメリット・魅力を感じられるような明確な違いをだして展開していればもう少し違った結果になったのではと考えてしまいます。

 

上で紹介したSteve Jobsの考えは、まさしく言い得て妙だと思います。

iPhone5cはAppleのiPhoneを欲しいと思う多くの人々の心に響く製品ではなかったのだと思います。 

みなさんはいかがお考えでしょうか。

 

今回は以上です。

ほなまた。

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